夜空の日記
『夜空の日記』といっても天体観測をする日記ではありません。 漫画や小説(ラノベ)やアニメについて色々書いたり書かなかったり。
都条例……否、メディア良化法! 「図書館戦争」
図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)
(2011/04/23)
有川 浩

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「図書館戦争」有川浩(角川文庫)

ストーリー 3/5点
キャラクター 4/5点
世界観 5/5点
恋愛 4/5点
熱さ 5/5点
本を守りたい! 5/5点



ノイタミナ枠でのアニメ化や漫画化などで知名度は高かったものの、ハードカバーを苦手とする私は(高いし持ち運び難いし読みにくい)この作品を手にとることができずにいた。
しかし、やっと! 待ちに待った図書館戦争の文庫化!

『メディア良化法』の成立により、行き過ぎた検閲が書籍に対して行われるようになった日本。
そんなメディア良化法の魔の手から書籍を守るように存在する組織・図書隊に入隊した一人の女の物語を描いたのが、この作品である。

「図書館戦争」が描かれたのは2006年だが、時が流れて文庫化となった現在では、現実に某都条例が世間を騒がせていたりと、まるで時事ネタ小説を読んでいるかのよう。
読書の自由が奪われる辛さや悔しさ、憤りがとにかくよく伝わってくる。
伝わりすぎるくらい伝わってくる。もはや他人事ではなくなりつつあるからか。

もちろん物語本編もおもしろい。
本を守りたいという気持ちだけで突っ走る主人公・郁の姿は、見ていて楽しいし、すがすがしい。
上官・堂上との関係もこの先の展開が楽しみだ。
“図書隊”という組織に関わっていく中で郁が経験した出来事をいくつも重ねていくことで、もう一度“書籍”というものを考えさせられる。
有川浩さんお得意のラブロマンス(ダダ甘というわけではないが、ニヤニヤできる。みんなの大好物、ニヤニヤの素だぞ!)も、もちろん健在。
あらゆる角度から楽しむことのできる一冊だ。



この物語では、メディア良化法に対抗する形で、書籍を守る図書館や図書館隊がいる。
では現実の我々の世界では、一体誰が図書隊の役目を果たさなければならないのか?
この物語に登場する中学生たちのように、微力でも行動しなければ意味はないのではなかろうか。
そんなことを改めて考えさせられる、よい機会になった。
図書館戦争は、もはや創作の中だけの問題ではない。
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