夜空の日記
『夜空の日記』といっても天体観測をする日記ではありません。 漫画や小説(ラノベ)やアニメについて色々書いたり書かなかったり。
みくるちゃん観察日記(2010.12.16)
俺の父方の実家がある場所で、毎年盆と正月は帰省している。
(夏はコミケ直前、冬はコミケ直後となる)

「みくるちゃんは、田舎はどこになるんだ?」

ふと気になって、そんなことを聞いてみた。

「兵庫だよ」

と、みくるちゃんは答えた。



みくるちゃんの父親は、婿養子に入っているため、元々は違う名字だったのだそうだ。
みくるちゃんの父親の名は、朝比奈 流(ながる)。
そして旧姓は、“谷川”というのだそうだ。

といっても、俺たちには関係のない話だ。たぶん。

しかし奇妙な違和感を覚えるのも、確かなのである。

みくるちゃんの田舎は兵庫で、父親の名は流。

高校時代の同級生であるキョンも、いつだったか「俺の田舎は兵庫なんだ」と言っていた。
同じく高校時代の同級生である涼宮も、たまたま俺と二人で雑談していた時に、「あたしの父親、流って名前でさ。そんで母親がのいぢって言うのよ。変わった名だと思わない?」と言っていたような気がする。



何かがおかしくて、どこかの歯車が狂っている。
問題点は明確なはずだ。わかりきっている。
しかし分からない。なんだこの違和感は。

兵庫。 谷川。 流。 のいぢ。

キーワードは揃っている。
しかし頭がそれを結びつけることを、強烈に拒んだ。

このことに意識を向けようとすると、頭に鈍痛が走る。

……これは一体、なんなんだ?
一体、何がどうしたというのだ?



「……大丈夫?」

ふと気がつくと、俺はみくるちゃんの腕の中に抱かれていた。
脂汗がひどかった。
頭に響いていた鈍痛は、いつの間にか消え去っていた。
俺は軽く頭を振ると、みくるちゃんに顔を向けた。
心配そうに眉をひそめる顔が、至近距離にあった。

「……大丈夫だよ。悪い、心配かけた」
「ううん」

みくるちゃんは首を横に振った。
それから、顔を伏せたまま言った。

「ちょっと安静にしてた方がいいから。ここに座って」

そう言ってみくるちゃんが示したのは、町中によくあるベンチだった。
俺は大丈夫だと言ったのだが彼女は頑として譲らなかったため、仕方なく俺はそこに腰を下ろした。

「落ち着くために、目を閉じたほうがいいよ」

俺は言われるがままに目を閉じた。
するとみくるちゃんは俺のうなじのあたりに、そっと手を添える。
そして、俺の耳元に口を寄せ、囁いた。

「ごめんね」

俺の意識は、そこで途切れた。
目は開けられなかった。



☆☆☆



俺の父方の実家がある場所で、毎年盆と正月は帰省している。
(夏はコミケ直前、冬はコミケ直後となる)

「みくるちゃんは、田舎はどこになるんだ?」

ふと気になって、そんなことを聞いてみた。
するとみくるちゃんは、一度口を開いたのだが、何かに気づいたかのように、慌てて口を閉じた。
俺が不思議がっていると、みくるちゃんは口元にそっと人指し指を添えて、

「禁則事項です」

そう、答えた。
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