夜空の日記
『夜空の日記』といっても天体観測をする日記ではありません。 漫画や小説(ラノベ)やアニメについて色々書いたり書かなかったり。
四人の乙女たちが駆け抜けた青春 「大正二十九年の乙女たち」

大正二十九年の乙女たち (メディアワークス文庫)大正二十九年の乙女たち (メディアワークス文庫)
(2011/04/23)
牧野 修

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「大正二十九年の乙女たち」メディアワークス文庫
牧野修
作者サイト/牧野修*苦笑の楽園
作者ツイッター/牧野修 (makinoma) on Twitter

ストーリー 7/10点
キャラクター 7/10点
世界観 7/10点
ミステリー 3/10点
青春 9/10点
時代小説 9/10点



大正二十九年の逢坂にて、ある猟奇的な事件が次々に発生する。
そんな事件に、逢坂女子美術専門学校に通う四人の乙女たちが巻き込まれてしまう話。

大正二十九年・逢坂、という設定は、幻の時代の幻の大阪の物語、ということみたい。
つまりパラレルワールド。

四人の乙女それぞれの視点で描かれる物語は、彼女ら一人一人の内に秘める想いがよく伝わってきた。
特に逸子の物語では、女性の風当たりが今よりも強い時代(を感じさせる時代)らしくあったし、そんな中でも仲間に励まされて戦いに赴く姿はカッコよかった。爽快。
四人の乙女はそれぞれ個性的であり、見ていて楽しい子ばかり。
出番こそ少なかったが、カンコも印象深い人物だった。

事件の真相はやや荒唐無稽な感じがあったが、ミステリは主題ではないので、これでいいのだろう。
この物語の真髄は、猟奇的事件を通じて乙女たちが得たものの凝縮されたラストにこそあると思う。
「この作品って、大正(昭和?)設定いるのかな?」と思ったが、このラストのためだったんだなあ。
最後に一気に引き込まれた。
芸術に対して風当たりの強くなった世間の中で、子供でしかも女である彼女たちが戦うために、一体どれだけの決意が必要だったことだろう。
このラストを拝むためだけであっても、この作品を読むだけの価値はあると思う。
読了後、全身から力が抜けるような感覚が味わえる作品は、なかなかない。



ちなみに私がこの作品を読んだ理由は、“大正だったから”に尽きる。
「大正野球娘。」とはまったく趣は異なるのだが、底辺に潜んでいる女学生の魂みたいなものは似たものを感じた。
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