夜空の日記
『夜空の日記』といっても天体観測をする日記ではありません。 漫画や小説(ラノベ)やアニメについて色々書いたり書かなかったり。
第七女子会/コント「心霊物件」
七女のボツコント。
ボツ理由は雰囲気がコントらしくないから。
やる気があればコントらしく修正する。





一条「駅から五分で築三年、風呂トイレがついてワンルーム……家賃も安い。好条件に飛び付いて即決しちゃったけど……早まったかな~……」
三田「何故ですか?」
四谷「いいとこじゃんか」
五島「うん、とても住みやすそうなところだよ」
一条「……この部屋、幽霊が出るんだよ……」
三田「幽霊? そのような非現実的な存在が実在するとは思えませんね」
四谷「まったくだ。いきなり何を言い出すかと思ったら、笑っちまうぜ」
五島「一条は怖がりだなあ。ははは」
一条「……あんたらだよ。幽霊ども」
四谷「そういやそうだったな」
三田「幽霊生活が長すぎて、忘れていましたね」
五島「まったく」
一条「こいつらは……」
五島「まあまあ。僕らのことは家具だと思ってくれれば」
四谷「そうそう。あたしらは家具だ。そんなことより、そろそろ夕飯だろ? 飯を供えてくれよ」
一条「家具がご飯をねだらないでよ! くぅ~……なんであたしが見ず知らずの幽霊のお供え物を用意しなきゃなんないのよ……」(冷蔵庫へと向かう)
三田「……」(無言で一条についていく)
一条「……なんで付いてくんの?」
三田「私、背後霊なんです」
一条「そうなんだ!? あれ? でも君、あたしがこの部屋に引っ越してくるまでは、いなかったよね?」
三田「申し訳ありません。サボってました」
一条「サボってたんだ!?」
三田「ずっと何かを忘れていたような気がしていたのですが、あなたが引っ越してきてくださったおかげで目的を思い出せました。ありがとうございました」
一条「感謝されちゃった!」
三田「ただ、あんまり動き回られるとついていくのが面倒なので、なるべく動かないでいてくださるとありがたいです」
一条「生者に注文つけないでよ! 悔しいから反復横飛びしてやる!」
三田「や……やめてくださ……疲れ……る……」
一条「たったこれだけの反復横飛びでもう息も絶え絶え!? 運動不足!?」
四谷「なあー、お供え物まだあー?」
一条「あんたは生者にお供え物強要しないでよ! ほら、ユッケよ!」
四谷「このご時世にユッケかよ!?」
一条「会社からもらっちゃったのよ。二キロ」
四谷「お前、どこの会社勤めてんだよ!?」
一条「アパレル関係なんだけどー」
四谷「アパレル関係で何故にユッケ!?」
一条「世の企業には、意外なところで繋がりがあったりすんのよ」
四谷「えー……アパレル関係とユッケは繋がんねえだろ……ユッケ着るのか? ベタベタになるわ!」
一条「ところでさ。あたしの後ろにいるやつは背後霊らしいけど、あんたらは何なの?」
四谷「お、意外とユッケ美味いな」
五島「生きてるときに食べなかった?」
四谷「あー、あたし生物系ダメだったんだよね」
一条「聞きなさいよ、人の話を!」
四谷「聞いてるよ。アレだろ? ジャニーズでは誰が一番カッコいいかって話だろ?」
一条「全然話聞いてないよね!?」
三田「一番カッコいいのは嵐の櫻井くんに決まってます」
一条「背後霊が食いついた!?」
三田「生きていた頃の私の部屋には、櫻井くんのポスターが所狭しと貼られていましたし、コンサートには最前列で応援に行きました」
一条「しかも熱烈なファンだった!? じゃなくって! あんたらは何霊か? っつってんの」
五島「僕はあれだね。守護霊」
一条「守護霊? ……一応聞くけど、誰の?」
五島「君の」
一条「……あんた、あたしがこの部屋に引っ越してくるまでは、いなかったわよね?」
五島「自分の仕事を忘れてたよ」
一条「あんたも!? なに、幽霊は忘れっぽいの!? ちょっと、守護霊なのに仕事をしてなかったってこと!?」
五島「まあまあ。有名な歌でこんな歌詞があるじゃない。『おばけにゃ会社も~仕事もなんにもない♪』って」
一条「アンタには仕事あるじゃん! 守護霊じゃん! 守護りなさいよ!」
五島「そうは言ったって、自分の身は自分で守るべきさ」
一条「守護霊が言うことじゃないわ! もっと仕事に命かけなさいよ!」
五島「……や、もう命無いしね」
一条「幽霊ってみんなこんななの!? 一度命失うと、こんなちゃらんぽらんになっちゃうもんなの?」
五島「君も死ねば分かります」
四谷「いいもんだぜ、死ぬってのも」
三田「ええ。なんであんなに必死で生きていたのか分からなくなりましたから」
一条「ちょっと!? あたしを死の世界に引きずり込もうとしてない!? あたしは生きるからね! 生きてることは何物にも代えがたいことです! ……で、ユッケ食ってるアンタは何霊なの?」
四谷「ああ、あたしはあれよ、地縛霊」
一条「自縛霊? なに、あんたマゾだったの?」
四谷「地縛霊だ! 土地に縛られる霊のことだよ!」
三田「縛られるのがお好きですか?」
四谷「好きじゃねえよ! 何、恍惚の笑みを浮かべてんだ、背後霊! サドかテメェは!?」
三田「まぁ、否定はしません」
四谷「否定しないの!?」
三田「むしろ積極的に肯定していきたいと思います」
四谷「肯定しちゃうの!?」
一条「あたしの背後霊ってサドだったんだ……。なんかやだな……」
三田「嫌ですね、一条さん。別にサドだからといって何かをするというわけではありませんよ。……時に、ろうそくと三角木馬はありませんか?」
一条「絶対に何かしようとしてるわよね!? ろうそくはともかく、一般家庭に三角木馬があるか!」
三田「あら残念。私が生きていた頃には、自宅にあったのですが」
一条「それはアンタの家だからだ! ……っと、話が逸れたわね。えっと、アンタは地縛霊なんだっけ? なんでまたこんなところに?」
四谷「そりゃ、ここで自殺したからだろ」
一条「え……」
四谷「いろいろ人生苦労しててね~。上部だけの薄っぺらな友達付き合いとか? 結局体だけが目的の恋人関係とか? そういうのに疲れちゃってさあ~」
一条「そう……なんだ」
四谷「まぁ、今は楽しいんだけどさ。アンタらみたいなのに囲まれて日々を過ごして。死んでるけど。それもまあ、後悔してるような気もするし、そうでもない気もする。欲を言えば生きてるうちにアンタみたいなのに会えたらよかったんかな、みたいなことは思うけど……それは言っちゃダメなんだろうな」
一条「……ユッケ、食べなよ」
四谷「おう。悪いな」
一条「たくさんあるから。二キロあるから。食べなよ」
四谷「おう。サンキュ」
一条「ユッケ以外にも……鳥わさとか、レバ刺しとか、あるから」
四谷「おう。生肉ばっかだな」
三田「地縛霊さん。今度亀甲縛りしてあげますね」
四谷「あたしはマゾじゃねえ」
五島「地縛霊さん。今度何かしてあげるね」
四谷「曖昧だな……」
一条・三田・四谷・五島「「「「…………」」」」
(ピンポーン)
一条「あはは……な、なんかお客さん来たみたいだから、ちょっとあたし出てくるね。はいはーい」
(玄関に行き、ドアを開ける一条)
一条「どちら様?」
二階「この部屋は呪われているっす」
一条「どちら様!?」
二階「この部屋には、悪い“気”が溜まっているっす」
一条「いやまあ、確かに沈鬱な空気にはなっていましたけど……あの、どちら様?」
二階「この部屋には幽霊がいるっすね」
一条「なんでこの人、頑として自分の身分を明かさないの!? って……幽霊?」
二階「そう。幽霊っす」
一条「……分かるんですか?」
二階「えぇ。この部屋には禍々しいオーラが漂っているっす。うようよいるっすよ。とりあえず上がらせてもらっていいっすか?」
一条「……はあ。時に、お宅はどちら様?」
二階「では上がらせていただくっす」
一条「うわぁ、名乗らない人を部屋に上げちゃった……」
二階「むむむ……感じます。感じますよ~」
四谷「あ? なんだよコイツ?」
五島「一条の知り合いかい?」
二階「むむむ! 完全に霊がいるっすよ!」
五島「お? 彼女には僕らが見えてるのかい?」
二階「ほら一条さん! ここに! ここにいるっすよー!」
四谷「……なぁー。アイツはなんで誰もいないところを指して叫んでんの?」
五島「僕らが見えてないんじゃない?」
一条「インチキかい!」
二階「インチキとは失礼な! こんなにも悪霊がウジャウジャいるというのに! ほら、あなたにも背後霊が取り憑いているっすよー?」
三田「……あ」(慌てて一条の背後へ)
一条「……あんた、言われるまで忘れてたでしょ?」
三田「今のは誤差の範囲内です」
一条「……や、まあ、本人がそれでいいならいいけどさ……ってこらこらこら!」
二階「? なんすか?」
一条「なんすか、じゃないですよ! 何、人の部屋で塩撒いてるんですか!?」
二階「素人が口を出さないでほしいっす」
一条「霊が見えないインチキ霊媒師に言われたくないです!」
二階「なんてことを! 塩には場を清めて霊を退治する効果があるんすよ!?」
五島「床がざらざらするね」
四谷「こりゃ掃除大変だな」
一条「効いてないんですけど! ピンピンしてるんですけど!」
三田「……う。ちょっと立ちくらみが」
一条「アンタのは低血圧よ、運動不足霊め」
二階「なかなかしぶとい霊っすね。これは取り憑いている人物の神経の図太さが影響してるんすかね……」
一条「ちょっと。今、軽くあたしを貶さなかった? あたしの何を知ってんのよインチキ霊媒師め」
二階「時に一条さん。かつてこの部屋で人が自殺したという話を知っているっすか?」
一条「え……ま、まぁ……」
四谷「……」
二階「おや、ご存知っすか。いや実はこの部屋に巣食っている悪霊の正体は、その自殺した人物が成仏できずに残ったものなんすね」
一条「は……?」
四谷「……」
二階「どうやら相当ひどくこの世を怨んで死んでいったみたいっすね。何でもいいからこの世に害を為して、生きてる奴等を片っ端から絶望に叩き落としたいとか考えてるタイプの霊っす。いつまでも未練がましくこの世にいるくらいなら、最初っから死ぬなって話っすよ」
一条「……やめてください」
二階「だいたい自殺なんかしてる時点でもう社会的に弱者なのに、そのうえ悪霊化して生者に迷惑かけ続けてるとか――」
一条「やめろってんでしょ!」(二階をひっぱたく)
二階「……殴ったっすね? 」
一条「殴ってなぜ悪いか! アンタはいい、そうして喚いていれば気分も晴れるんだからね! だけどここで死んだあの子は、それを晴らす機会すらないんだ! だって……だってあの子は死んじゃったんだから!」
四谷「一条……」
一条「自殺は悪いことだよ! 死ぬことは何よりも悪いことだよ! あたしは自殺なんかする奴の気持ちなんか、悪いけど全然わからない! でもさ……死ぬほどまでに追い詰められた人間が、どうして死んでからも人から悪く言われなきゃならないんだ! 少なくともあたしだけは、ここで死んだ奴を悪くは思わない!」
二階「……何、いい子ぶってるんすか!」(一条に殴りかかる)
三田「……」(一条の体を引っ張り、後ろへ下がらせる)
五島「よっ」(二階の脚を自分の脚で引っかけ、転ばせる)
二階「ぎゃふん!」(転ぶ)
一条「帰ってください、インチキ霊媒師さん。確かにこの部屋には霊が巣食っています。ですが……退治しなけりゃならないような悪いやつらじゃないんですよ」
二階「……く……この部屋にはいつか必ず悪霊が現れるっす! 覚えてろっすよー!」(部屋の外へと逃げていく二階)
一条「……行ったか。……ありがとね。背後霊に守護霊」
三田「背後霊ですから」
五島「守護霊ですから」
一条「そして地縛霊。ごめんね。変なの部屋に上げちゃって」
四谷「……いいよ。気に、してねえし」
一条「そ」
四谷「……それと、さ」
一条「うん?」
四谷「……ありがとな」
一条「ふふ」
(キキーーーッ! ガッシャーーン!)
一条「ええっ!? 今の何の音!?」
五島「どうやらマンションの前の道路で交通事故みたいだね。窓から見えますよ」
一条「うわほんとだ……」
(ピンポーン)
一条「うん? 今度は誰かな……」
(一条、玄関に行く)
二階「どうも。予言通りやって来ました、悪霊っすー」
一条「帰ってください」
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