夜空の日記
『夜空の日記』といっても天体観測をする日記ではありません。 漫画や小説(ラノベ)やアニメについて色々書いたり書かなかったり。
ラストの一行で、世界が反転する 「儚い羊たちの祝宴」

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)
(2011/06/26)
米澤 穂信

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「儚い羊たちの祝宴」新潮文庫
米澤穂信

作者サイト/汎夢殿
作者ツイッター/米澤穂信 (honobu_yonezawa) on Twitter

ストーリー 9/10点
キャラクター 7/10点
筆力 8/10点
ミステリー 8/10点
ホラー 7/10点
驚く 9/10点



「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった、連作ホラーミステリー短編集。
ゾッとするようなオチのブラックな短編が多かったが、読後感はさほど悪くはない。
ミステリとしての構成が非常に上手く、読み終わった時に「やられた!」と楽しめる良作。
「ラスト一行」という触れ込みではあったが、「玉野五十鈴の誉れ」以外はラスト十行くらいでオチに気づける感じではあった。

「インシテミル」でもそうだったが、『ミステリ好き』の作者が、『ミステリ好き』の読者に贈る作品、というイメージ。
古今東西の名作ミステリの欠片があちらこちらにちりばめられており、「山荘秘聞」ではミスリードを楽しむために多少のミステリ的素養も必要になってくる。
私はミステリは好きだが名作ミステリはあまり読んでいないため、この作品に登場したミステリもいつかは読んでみたいと思う。

「身内に不幸がありまして」は、思いもよらぬ事件の真相と犯行の動機に驚愕。

「北の館の罪人」では話の最後に驚きが二つ用意されており、楽しめた。

「山荘秘聞」は他の短編に比べるとゾッとする感じも(ゾッとしそうな予感を感じながら読ませる作品なわけだが)驚きも控えめ。
しかしながら屋島さんの行動を見ているのは楽しくあった。

「玉野五十鈴の誉れ」は、「ラスト一行」という観点から言えば、完成度が圧倒的に群を抜いている。

「儚い羊たちの晩餐」もおもしろい話だったのだが、最初、大落ちがうまく理解することができなかったのがやや残念。
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