夜空の日記
『夜空の日記』といっても天体観測をする日記ではありません。 漫画や小説(ラノベ)やアニメについて色々書いたり書かなかったり。
恋なんて、知らなければよかったのに。 「百瀬、こっちを向いて。」

百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)
(2010/08/31)
中田 永一

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「百瀬、こっちを向いて。」祥伝社文庫
中田永一

※乙一 の別名義(発売当時は覆面作家)



ストーリー 8/10点
キャラクター 7/10点
筆力 10/10点
恋する 9/10点
切ない 9/10点
ミステリ 8/10点



「GOTH」「失踪HOLIDAY」「暗黒童話」「失はれる物語」……。
そんな数々の名作を生み出してきた巨匠・乙一の別名義短編集。

久しぶりに乙一ワールドを堪能した。
事前に『乙一である』と知ってたけど(ツイッターで告白してたの、リアルタイムで見てたしね)、知らずに読んでても、「なんか乙一っぽいな。雰囲気が」くらいには思ってたんじゃなかろうか(そのくらい、私の中では乙一の存在感はでかい。米澤さんを相手にして「乙一っぽい」とコメントしたこともある)。
内容は完全に白乙一だね。表紙も白いしね。いや、白すぎるがな。表紙。

恋愛をテーマにした作品が四つ掲載されているわけだが、ちょっとしたミステリ要素や、切なさも随所に散りばめられていて、とても楽しめた。

表題作「百瀬、こっちを向いて。」は偽装カップルの物語。
知人の頼みから、百瀬という少女の恋人役を演じることとなった少年は、徐々に百瀬に惹かれていくこととなる。
これは乙一ワールドの代名詞ともいうべき“切なさ”の溢れる物語で、非常に引き込まれた。
百瀬、こっちを向いて。

「なみうちぎわ」は、水難事故から五年間意識不明にあった少女の物語。
これはミステリ的な観点から、楽しむことができた。

「キャベツ畑に彼の声」は、ひょんなことからとある覆面作家の正体を知ることとなった少女の物語。
物語の終盤、さらっと驚きの真相が明かされるのが心地よい。

お気に入りは「小梅が通る」。
これは自らの美しい容姿にコンプレックスを感じている少女が、わざとブスになるメイクを施して日々を過ごす物語。
やたらと小梅に執着を見せる山本寛太に最初は馴染めずにいたのだが、最後に一気に印象が逆転。
主人公の友人二人もとても良い子だし、今度は柚木は良い友人たちに廻り合えたんだなあ。

どれも主人公の少年少女は恋愛というものに対して縁遠い存在(ラノベのモテるくせに「ごく普通の高校生」とか自称する主人公よりも、よほど現実味を帯びた感じ)だというのが、なんか共感的なものを得られたり。
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