夜空の日記
『夜空の日記』といっても天体観測をする日記ではありません。 漫画や小説(ラノベ)やアニメについて色々書いたり書かなかったり。
第七女子会/コント・囚人
ツイッターにて六升さんの「【3人以上のユニットが自分にはないから出来れば誰かに書いて欲しい設定】囚人のもとに『脱獄サービス』のセールスマンが、看守の目を盗んでこっそりやってくる。」という呟きを受け、一夜で書き上げた第七女子会の寸劇。

「脱獄サービス」はうまく活かせなかったけど、これはこれで気に入ったネタなので発表。

一条「第七女子会初めての、他者とのコラボレーション企画よ!(キリッ!) また機会があったらやりたいわね!」



【コント・囚人】

一条「それじゃあ、ここが今日からアンタの入る独房だから。服役期間が終わるまで、おとなしく過ごすのよ」
四谷「はいはい」
一条「『はい』は一回!」
四谷「お前はお袋かよ!?」
一条「あなたが今こうして服役してるって知ったら、田舎のお母さんは何て思うかしらね」
四谷「服役してるって知ってるよ、お袋! 『この不良娘がぁ!』ってめっちゃ怒られたよ! つーかその台詞って、犯人が立て籠ってる時に言うやつだろうが!」
一条「ほら、無駄口叩いてないで、さっさと入りなさい」
四谷「ゴーイングマイウェイが過ぎるぞお前!?」
(四谷、独房入り。一条、鍵を閉める)
一条「いい? まさかとは思うけど脱獄なんて考えないことね。ウチの刑務所のセキュリティレベルは、脱獄不可能と言われたかつてのアルカトラズ連邦刑務所並よ」
四谷「ウソつけ! あ、なあなあ看守さん。ひとつ聞いていいかな」
一条「看守って必要以上に囚人と会話しちゃいけない決まりなんだけど?」
四谷「けっこう雑談してたじゃねえかよ……。な。ひとつだけだし、いいだろ?」
一条「……あたしに答えられるものなら」
四谷「おう。……ホントはあたしはやってないって言ったら、信じるか?」
一条「裁判が行われ、その結果、実刑判決が出た。信じようが信じまいが、あたしはあたしの職務を全うするだけよ」
四谷「看守としてのじゃなく、幼馴染みとしてのお前の言葉を聞きたいんだ、春香」
一条「……『あたしがやった』って言われたって信じるもんか、千秋」
(一条、退場)
四谷「……はぁ。まさか、逮捕されてからも幼馴染みの厄介になるとはね」
二階「お疲れみたいっすね」
四谷「ん、何かどっからか声が……」
二階「ここっすよ、ここ」
四谷「ん? うわ! 誰だお前は!? あ、壁に穴が空いてて隣の独房と繋がってンのか!?」
二階「普段はベッドで隠してるんすけどね。昔、食事中に出たスプーンを掠め取ってきて掘ったんすよ」
四谷「そいつぁすげえな!」
二階「ホントは外に逃げるつもりだったんすけど、いざ開通したら隣の独房に繋がっちゃったんす」
四谷「バカだ! ここにバカがいるぞ! 建物の構造くらい把握しとけよ!」
二階「まぁ、だからこそこうしてあなたとお話できるのも何かの縁っす。よろしくしましょう」
四谷「あぁ、まぁ、そうだな」
二階「ウチは囚人番号21334っす。あなたは?」
四谷「あ。なんかあたし、自分が囚人なんだなあって改めて自覚して、スッゲー辛い」
二階「そのうち慣れるっす。ちなみにウチの囚人番号は、21334(兄さん刺した)って覚えるといいっすよ。収監された理由とも合ってるっすし」
四谷「アタシもいつかは、こんだけ刑務所の色に馴染んじゃうのかなあ!?」
二階「ま、ウチも先輩としていろいろ相談に乗ってあげるっすからね」
四谷「はぁ、まぁ、よろしく」
二階「ところでさっきチョロッと聞こえたんすけど……あの看守、知り合いなんすか?」
四谷「あぁ、まあな。幼馴染みなんだ」
二階「萌える設定っすね」
四谷「同性だから萌えねえし、設定じゃねえよ。……しかし、これであたしも囚人の仲間入りかあ。あーあ、あたしの人生、どこで間違ったんだろ」
五島「あなたの人生、まだやり直せます!」
四谷「……あ? 21334、何か言った?」
二階「いえ?」
五島「ここですよ、ここ!」
(五島&三田、二階とは反対側の壁の穴から出てくる)
四谷「ん? ……うわ、誰だお前らは!?」
五島「私たちはですねえ」
(カツン、カツン、カツンと靴音が聞こえてくる)
五島「退けッ!」
(撤退する五島三田、ついでに二階)
四谷「えっ!? 『私たちは』何なんだよ、おい!?」
一条「おーい。うるさいわよ」
四谷「す、すいません……」
一条「まったく。あんまりヤンチャしてると、刑期延びるわよ。隣の囚人番号21334を見倣いなさい。今も座禅をしながら精神集中をしているのよ」
四谷「……あ、そ、そう……」
一条「それじゃあ、このあともおとなしくしてるのよ。力石が釈放された後の矢吹丈のように」
四谷「喩えが分かりにくすぎるだろ!」
(一条、退場。その後すぐに戻ってくる二階、五島、三田)
四谷「囚人番号21334、ずいぶん手慣れてんだな」
二階「ふふん。そりゃあもう」
四谷「で? そっちのアンタらは何者なんだよ?」
五島「はい。私たちは株式会社脱獄社の営業担当をしております者です」
四谷「株式会社脱獄社ぁ?」
五島「はい。全国の刑務所の受刑者様方を対象に、脱獄のお手伝いをさせていただいております」
四谷「国家に対して思いっきり楯突いてる仕事だよな、それ。つーかどうやってここ来たよ?」
五島「外壁から穴を掘って来ましたが?」
四谷「この刑務所、セコムしてねえのか? 昭和の脱獄王・白鳥由栄でなくとも出られんじゃねえか、もしかして?」
五島「あぁ、壁と同じ色の壁紙貼ってるので、よく観察されない限りはバレません」
四谷「んな細かいことは知らん!」
五島「まぁ、とにかく商談に入らせていただきたいのですが。いかがですか、私たちのご提供する商品を使えば、簡単に脱獄できますよ」
四谷「具体的にはどんなのがあるんだよ?」
五島「スプーンとか」
四谷「囚人番号21334スタイル!」
五島「一般的なスプーンとは違います。三田さん、見せて差し上げてください」
三田「はい。こちらがその脱獄用に特化した、当社オリジナルデザインのスプーンでございます」
四谷「よくある先割れスプーンじゃねぇか! 当社オリジナルどころか、学校の給食で見たわ!」
二階「あ、すごい。鉄製なんすね。ウチが穴掘りに使ったのは、プラスチック製のスプーンっすよ」
四谷「すげえなお前!?」
五島「それから、牢の鍵を開けるために使用できるピッキング用品もあります」
三田「こちらでございます。当社オリジナルカラー」
四谷「いやいや、ただの真っ赤に塗った針金じゃねえか! 色合いだけで当社オリジナルを語るな! つーか赤くて目立つから、むしろバレやすそう!」
五島「まぁ、それ以外にもいろいろ」
(カツン、カツン、カツンと靴音が聞こえてくる)
五島「退けッ!」
(撤退する五島、ついでに二階)
三田「あ、逃げ遅れた。どうしましょう、」
四谷「わー、バカバカ!」
(とっさに三田に毛布を投げ掛けて、その上から抱き付く四谷)
一条「おーい、うるさいわよ……何やってんの?」
四谷「気ニシナイデクダサイ」
一条「丸めた毛布に抱きついて…………あぁ、うん。わかったわ。ごめんなさい、気付けなくて」
四谷「……何言ってんだ?」
一条「ううん。そうよね、若い女が一人きりで独房暮らしじゃ……その……欲求不満にもなるわよね」
四谷「ちょっと待て。あんたは何か重大な勘違いをしている」
一条「ううん、いいのよ誤魔化さないでも。あたしもそういう気分になることがないわけじゃないから。でも……まさか初日から毛布でお手製ダッチドー……」
四谷「わー! こらこらこら!」
一条「あたし、何も見なかったことにしてあげるから。だから、その……早く済ませるのよ?」
(一条、退場)
四谷「……」
三田「……囚人用のアダルトグッズも取り揃えてますよ?」
四谷「要るか、ぶゎぁーか!」
五島「いやぁ、ウチの若いのが迷惑かけまして」
四谷「まったくだ! どうすんだ今度から! あの看守と会うの気まずいだろ!」
五島「で、次の脱獄グッズなんですけどね」
四谷「部下が部下なら上司も上司だわ! 商魂たくましすぎんだよ! ……つーかさ。あたし気付いたんだけどさ」
五島「はい」
四谷「わざわざ脱獄グッズなんか使わなくたって、アンタらがここ来るのに使ってるその通路使えば、あたし外に出れるんじゃね?」
五島「……」
四谷「えっと……」
二階三田五島「なるほど!!!」
四谷「バカなのかアンタらは!?」
五島「では先程ウチの若いのが迷惑をおかけしてしまいましたし、詫びといたしまして、今回特別にこの通路を無料で使用する許可を差し上げます」
二階「マジっすか? やった!」
四谷「何、さりげなくお前まで脱獄しようとしてんの?」
五島「さぁ、ではお通りください。通路を真っ直ぐ進めば、刑務所の外のマンホールに繋がっています」
四谷「……」
五島「……どうかしましたか?」
四谷「あぁ、うん。……ごめん、やっぱり止めとくわ」
二階「えっ!?」
四谷「実はあたし、実刑判決は受けたけど、罪を犯したわけじゃないんだ。冤罪ってやつ。だからこそ、脱獄して本当に罪人になっちまうよか、最後まで無実を叫びながら刑期をつとめあげてやりたいんだよ」
五島「……刑務所の生活というのは、あなたが思っているよりもキツいですよ?」
四谷「へっ。そのキツさを利用して、出所後に実録本でも書くさ」
五島「そうですか。……では、そちらの方はどうします?」
二階「あ、ウチもいいっす。ウチ模範囚だから、もうすぐ普通に仮出所なんすよ」
四谷「壁に穴開けてんのバレたら、えらいことになるだろうけどな」
五島「……日本の囚人が皆あなた方みたいなら、素敵でしょうね」
四谷「でもあんたらは商売上がったりだろ?」
五島「違いありません。……さぁ、もう行きましょう。ここには我々を求める顧客はいませんでした」
三田「はい。それではお二方。次にもし私たちに会ったとしても、もう赤の他人です。決して声はかけないでください」
四谷「おう」
二階「うん」
(五島三田退場)
四谷「お前も戻んな。模範囚が自分の独房にいなかったらまずいだろ」
二階「うん」
(二階、自分の独房へ)
四谷「はぁ……。あーあ、バカしたかなあ?」
(カツン、カツン、カツンと靴音が聞こえてくる)
一条「……」
四谷「よお、看守さん。見回りご苦労さん」
(一条、独房の鍵を開ける)
一条「出なさい。釈放よ」
四谷「……あ?」
一条「ついさっき、事件の本当の犯人を名乗る女が出頭してきたわ。自分の代わりに無関係の人が有罪判決になってしまった罪の重さに堪えられなかったんですって」
四谷「……マジか」
(四谷、独房から出る)
一条「……あ。向こうから連れられて来るのが、その本当の犯人よ。2人組の女強盗グループで、余罪もいっぱいあるみたい」
四谷「……あ」
(五島・三田、手錠を掛けられてうつむいたまま、四谷たちの前を通り過ぎる。五島はすれ違う瞬間、微笑みを四谷に向ける)
四谷「……あいつら」
一条「待って。怒る気持ちは分かるけど、」
四谷「いや、違う。違うんだ。……いや、そうだな。あたしは怒るべきだったんだろうな」
一条「……とにかく、あなたは釈放よ」
四谷「おう」
一条「……これは看守としてでなく幼馴染みとして言うんだけど。今度からは変な疑いかけられないよう、気をつけなさいよ」
四谷「分かってるよ」
一条「……信じてたから」
四谷「おう、知ってたぜ。次に会うのは塀の向こうだな」
一条「それと……その……」
四谷「ん?」
一条「……その、欲求不満はよくないから。だから外に出てから、ちゃんとそういう相手を見つけた方がいいと、あたしは思うな!」
四谷「……さっきの本当の犯人、一発ぶん殴ってきていいか?」
一条「どうしたの急に!?」
四谷「止めんな! 離せ! あいつを一発殴らせろおおおー!」



(終劇)





一条「そういえば、せっかく更新したから言っちゃうけど、ウチのプロデューサーの星野さんって、今日が誕生日らしいわよ?」
三田「どうでもいいですね」
一条「うん、どうでもいいんだけどね」
四谷「お前らサラッとひどいな……」
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コメント
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どうも、書き上げていただいてありがとうございます。
相変わらず抜群のストーリー構成ですね。
今回は割と一人づつ丁寧にメンバーが登場してくるので、今までで一番キャラクターの把握が楽だった印象です。
楽しませてもらいました。
あと、誕生日おめでとうございます。


おまけ

文「しかしどうやって株式市場に上場したんでしょうね」
理「着眼点そこ?」
2011/11/06(日) 19:41:06 | URL | by六升(名前がちょっとそれっぽいがメンバーではない) (#ve1u07as) [ 編集]
設定を見てすぐにイメージが湧いたので作ってみたのですが……完成品を見てみたら当初の想像とはまったく違うものになっていました。
一体どうして看守を囚人の幼馴染みにしてしまったのでしょうか。いらない設定ですね。でも「信じるか」のくだりがやりたかったので入れてしまいました。

コメント&お祝いの言葉ありがとうございます。

一条「で? どうやって株式市場に上場したわけ?」
五島「ああ。今回の寸劇で描かれている私と三田さんの行動は、濡れ衣を着せられた四谷さんを脱獄させるために我々が独断でやっていただけなので、そんな会社は実在しないんですよ。だから株式会社というのも……まあ、ジョークですね」
二階「いろいろと作り込んでるっすねえ……」
2011/11/08(火) 14:04:57 | URL | byほしの (#zxJvsWF.) [ 編集]

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