夜空の日記
『夜空の日記』といっても天体観測をする日記ではありません。 漫画や小説(ラノベ)やアニメについて色々書いたり書かなかったり。
これは 愛の短編集だ。 by乙一 「死者のための音楽」

死者のための音楽 (MF文庫ダ・ヴィンチ)死者のための音楽 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
(2011/12/21)
山白朝子

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「死者のための音楽」MF文庫ダ・ヴィンチ

著/山白朝子(乙一)(乙一ツイッター



ストーリー 8/10点
登場人物 7/10点
筆力 9/10点
ふるえる 7/10点
切ない 8/10点
黒乙一 8/10点



「山白朝子」と言いつつも、その正体は「中田永一」と同じく「乙一」。

内容は、白乙一方向に特化した切なさ全開の中田永一とは対照的に、デビューの頃の面影を感じさせるような、黒乙一方向に特化した暗く哀しいホラーテイスト。

個人的には「鳥とファフロッキーズ現象について」と「死者のための音楽」が好きだ。

「王国工場」は、中盤まではあまりホラーらしき雰囲気がないのだが、そのオチはまさにゾッとするお話。

「鬼物語」は、まさに黒乙一系作品。
「SEVEN ROOMS」に近いものを感じた(まず「SEVEN ROOMS」からして名作である。黒乙一の中でも特に優れた秀作だ)。

「鳥とファフロッキーズ現象について」は、人の意思が分かっているかのように行動する1羽の鳥と、その飼い主の物語。
ミステリ的には真相が読めてしまったのが残念だったが、ホラーな作品が多い中でややコミカルな雰囲気が感じられたのがよかった。

「死者のための音楽」は優しくて切なくて、なんだか泣きそうになった。
この作品集に収められている物語には全て死者が登場するため、それらを一つにまとめるにふさわしい、救いの一編だと感じられた。

個人的には白乙一派であるが、十分楽しめた(まぁ、白黒併せて、結局乙一が好きなんだが)。
オチもしっかりと書かれている方が好きな質なので、全体的に引きがぼんやりとしていたのはちょっと残念。



オマケ。
黒乙一と白乙一の分類別推薦。
それぞれのジャンルから五傑を選んでみた。

黒乙一(ホラーミステリー。集英社から出た初期作品に多い)
・SEVEN ROOMS(短編。「ZOO」収録。七つの部屋の話)
・GOTH(連作短編。グロい話)
・暗黒童話(長編。暗黒系な童話の話)
・死にぞこないの青(長編。教師にいじめられる話)
・カザリとヨーコ(短編。「ZOO」収録。双子の話)

白乙一(切ないミステリー。角川書店から出た中期作品に多い)
・失踪HOLIDAY(中編。「失踪HOLIDAY」収録。狂言誘拐の話)
・小梅が通る(短編。「百瀬、こっちを向いて。」収録。美少女がブスに変装する話)
・手を握る泥棒の物語(短編。「失はれる物語」収録。手を握る泥棒の話)
・暗いところで待ち合わせ(長編。視覚障害者の話)
・しあわせは子猫のかたち(短編。「失はれる物語」収録。見えない人の話)

グレー乙一(白と黒の中間。(現在を最後と考えての)後期作品に多い)
・小生物語(ウソ日記)
・血液を探せ!(短編。「ZOO」収録。血液を探す話。やたらコミカル)
・SO-far(短編。「ZOO」収録。夫婦喧嘩の話)
・Closet(短編。「ZOO」収録。クローゼットの話)
・死者のための音楽(短編。「死者のための音楽」収録。死者のための音楽の話)

乙一は普通にオススメな作家さん。
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