夜空の日記
『夜空の日記』といっても天体観測をする日記ではありません。 漫画や小説(ラノベ)やアニメについて色々書いたり書かなかったり。
もしも長文キャラが学園ラノベになったら(2)
「これでよし、と」
 掲示板に部員募集のポスターを貼り付けた一条は、両手を腰に置き、頷いた。
 文字のみの無味乾燥なポスターを見ながら、二階は言う。
「こんなんで本当に入会希望者が現れるんすかねえ」
「何もしないよりはましでしょうよ。ていうか、あんたは演劇部入ってくんないわけ?」
「ウチはほら、漫画研究部員っすし」
 二階は漫画研究部に所属しているが、特に漫画を描くわけではない。そんな彼女は、主に漫画作品のレビュー等を行なって部活動に参加している。
 そして二階の言葉に、一条はぶすっとしてこう返した。
「絵ぇ下手で漫画なんて描けないくせに、漫画研究部なんて……」
「そんなこと言ったら、ウチ、演技だってできないっすよ」
「練習すればいいじゃない。どうしても駄目なら、舞台装置担当とかでもいいんだし」
「漫画だって一緒っすよ」
 二階は、ポスターに向けていた顔を、一条の方へと向ける。
「漫画が描けないんなら、練習すればいい。それでもどうしても駄目なら、ウチみたいに漫画のレビューを部誌に載せる活動をしてたって、問題ないはずっすよ」
「……」
「好きでやってる人に対して、『○○のくせに』とか、絶対に言っちゃ駄目っすよ」
 そう言う二階の瞳が、一条にはなんだか寂しげに見えた。一条自身が、もし『演技下手なくせに』と言われたとしたら……あたしは今の二階ちゃんのような、こんな顔をするかもしれない。そう、感じた。
「……ごめん」
 一条が謝罪の言葉を口にすると、二階は一転して白い歯を見せニカッと笑った。
「ん。一っちゃんはこういう時、ちゃんと謝ってくれるから好きっすよ」
 あたしも、配慮の足らなかった失言をこうして優しく水に流してくれる二階ちゃんが好きだよ。
 気恥ずかしくて、それを口にすることはないのだけれど。

(おしまい)
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