夜空の日記
『夜空の日記』といっても天体観測をする日記ではありません。 漫画や小説(ラノベ)やアニメについて色々書いたり書かなかったり。
もしも長文キャラが学園ラノベになったら(6)
 学園には、体育館の脇にテニスコートが併設されている。コートは2面設けられており、そこでは現在、女子テニス部員たちが練習に励んでいた。
「いやぁ、それにしましても」
 と、コートの脇でスポーツドリンクを飲みながら、部員である五島冬馬が言った。
「この部は実に色気が無いことですね」
「…………」
「…………」
 同じく休憩中だったテニス部員、アイとユウがお互いに目を見合わせる。
『また五島さん家の冬馬のお嬢さんが何やら言い始めましたぞよ』
『ホントだねえ』
 五島冬馬という二年生女子はいわゆるバイセクシャルを自称しており、年がら年中所相手構わず、いきなり色恋話を持ち出す悪癖があるのだ。つまりテニス部員である彼女らにとって、五島の色気がどうしたといった戯言は慣れっこ、むしろ飽き飽きしているくらいなのである。
『相手してやるべき?』
『どうでもいいよう』
『とりあえず泳がしてみるか』
『そだねえ』
 そんな感じのアイコンタクトを数秒の内に交わすと、2人はそろって五島に先を促した。
「色気が無いって?」
「どゆことお?」
「ええ、つまりですね……」
 五島は一息溜めてから、言い放った。
「恥じらいが足りないんです」
 すぱこーん!
 ナイスボールでーす!
 誰かの放った打球が見事な軌道で相手コートに突き刺さり、入ったばかりの一年生部員たちがお世辞っぽい声をかけた。 「……恥じらいが足りない、とは?」
 不承不承といった感じを全身から発しつつ、アイが尋ねる。
「見てください! あの部員たちの動く様を!」
 アイとユウの『この話、続けるの? めんどくせー』感に微塵も気づくことなく、五島は言う。
「ボールを追いかけながら、あっちへダッシュ! こっちへダッシュ! スカートが翻るのを意にも介しません」
 そりゃ、アンスコ穿いてるもの。と、ユウ。アンスコとはアンダースコート、つまり女性用テニスウェアのスカートの下に穿くものである。
「それですよ、それ。アンダースコートが最大の敵なんです」
 五島は言う。熱く想いを込めて、力説する。
「考えてもみてください。スカート、それも太ももの半ばくらいまでしか隠れないようなミニスカートですよ? そんなものを目の当たりにして人が求めるものはなんですか? それは、そう。パンチラ!」
 この時点でアイとユウが五島の話を聞く気が皆無になったことは、言うまでもない。
 2人は、その後もなぜアンダースコートの存在があんなにもスカートから色気を失わせてしまうのかを説く五島を無視して、コート内へとサーブの練習に向かった。
 熱くなりすぎているためか聞き手がいなくなっていることにも気付かない五島の語りは、顧問の先生が練習を見に来て彼女に雷を落とす、その瞬間まで続いたのだった。

(完劇)
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コメント
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ただまん(笑)
xx706u27
ただまんどころか、
逆 に 稼 げ る ぜ w
お小遣いゲットでちゅ♪
http://5sQ297JB.takaoka.mobi/5sQ297JB/
2013/02/09(土) 08:46:30 | URL | by只野厚 (#lUiqiKkI) [ 編集]

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